記事と資料

 
 「学校選択制で格差」
 毎日 2008.10.22


 
 学校選択制 ブレーキ
 朝日2011.12.28


 
学校選択制を廃止したら
学校に活気が戻った
読売2012.5.11



 
 学校選択制 曲がり角
 朝日2008.11.30


 
公立小選択の「絶望格差」
アエラ2008.9.22




「格差生んでもエリート養成が必要。 自分が選んだ学校には責任をもつべき。」
朝日2011.10.19



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大阪の教育の明日を考える会


大阪教育文化センター

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 大阪で導入が検討されている 「学校選択制」
     ・・・立ち止まって、よく考えてみましょう。


 大阪市で、「学校選択制」 導入への動きが急速に進んでいます。 橋下市長は、「ボクの感覚では、大多数の市民は学校選択制を望んでいる」と語っています。 本当でしょうか?
 このまま急速に変化が進むことには、不安もあります。 学校選択制がどのようなものか十分に分からないまま、イメージだけが先行していないでしょうか? 
 私たちは、市民の目線で、保護者の立場で、教育のことを考えていきたいと思います。 政治主導や行政主導ではなく、市民の願いが反映されるように、一緒に考えて意見を発信していきましょう。





 学校を選べるのはいいことでは?

 学校選択制は、「選んでもいい、選ばなくてもいい」という制度ではなく、「自分で自己責任で学校を選ばなければならない。選んだ以上は、自分で責任をとること。」という制度です。いったん選んだ学校を変更することはできず、とても不自由な制度です。
「幼稚園や保育園の友達みんなで同じ学校に行きたい。」というのも不可能にします。
そもそも、「選ばなければならない」という前提そのものが、おかしくないでしょうか? どの地域に住んでいても、どの学校に入学しても、十分な教育環境を保障されることが大切なはずです。


 学校選択制のもとで競争すれば、教育環境が向上するのでは?

 たしかに教育関係者の努力は必要です。しかし、「他校との競争」で全てが解決できる訳ではありません。
たとえば学校ごとのテスト点数で競争すると、先生方は「学校全体の平均点数」をあげることに必死になり、一人一人に向き合って「つまづき」や「課題」を乗り越え支えるだけの余裕がなくなります。
過度の競争は、教育に歪みをもたらします。 実際に、学校間のテスト点数競争に勝つために教師が答えを教えたり、障害児を欠席させるなどの問題事例も生じています。


 学校説明会で、子どもにあった学校をきちんと選べますよね?

 学校説明会では、どの学校も「わが校は素晴らしい」と自己紹介するので、実際の様子は分かりにくいです。結局、保護者は不確実な噂を集めるのに必死になります。これまで学校選択制を導入した地域では、「噂やイメージだけで学校が選ばれてしまう」という弊害が生じています。


 テスト点数が公表されたら、学校を選びやすくなりますよね?

 テスト点数が情報公開されても、それは学校全体の平均点数です。その学校に「落ちこぼれ」の子がいるのかは、平均点数からは分かりません。
実際には、小学校・中学校には入学試験がないので、「学力が高い」と噂される学校にも様々な成績の生徒が入学してきます。
上位校には大人数が集中するので、一度つまづいたら、教師からの十分なサポートを受けられずに落ちこぼれてしまう可能性があります。
東京都では、「人気校が実際は荒れていたり、不人気校が落ち着いた校風を保っていることも多い」という指摘もあります。



 山間部の遠距離通学や、兄弟が別の学校になってしまう事例を解決するには、学校選択制が必要では?

 そのような個別事情による通学先の変更制度は、現在もあります。これを弾力的に運用すれば問題は解決します。ですから、このことを理由として全面的な学校選択制を導入する必要はありません。


 いい先生がいる学校を選んで入学させたいです。

 自分の子どもが、どの先生の担任クラスになるかは分かりません。先生が転勤するかも知れません。学校を選べても、先生を選ぶことはできないのです。
そもそも教育は、個々の教師の個人プレイではなく、教師集団のチームプレイの成果です。どの学校に入学しても、どの先生の担任クラスになっても、その学校の先生方が力を合わせた教育実践のなかで、十分な成長・発達の機会が保障されることが大切と思います。


 不人気校に生徒が集まらないのは仕方ない?

 「不人気校」になり生徒数が減少すると、部活動や学校行事に支障が出てしまいます。教育予算も十分に配分されなくなります。本来なら、どの学校に入学した生徒にも十分な教育環境が保障されるべきなのに、学校選択制はそれを困難にしてしまいます。
学校選択制を続けてきた東京では、生徒数の格差が年々増大し、本来の10分の1程度しか生徒がいない学校も存在します。
そもそもイメージや噂だけで「不人気」になってしまうことが多く、それは「仕方がない」とは言えないと思います。


 「不人気校」も、人気が出るように努力すればいいのでは?

 いったん「不人気校」になり生徒数が減少すると、レッテルが貼られてしまい、生徒数は年々減少していく悪循環になります。どんなに教員が努力をしても、その学校には少人数の生徒と保護者しかいないので、そのことが外部に広く伝わりにくく、「人気校」に復活するのは極めて困難です。


 生徒が集まらなかった学校は、廃校になるの?

 右の新聞記事からも分かるとおり、生徒の集まらない学校は統廃合される方針です。橋下市長は、市立小学校の3分の1を統廃合の対象として、廃校後の跡地を売却する方針を表明しています。
そして、新しい条例では、廃校になった学校の教職員は、他校へ転勤にならず、免職(退職)にすることが想定されています。

右の新聞記事の拡大  .



 地元の学校に行きたくないから、学校選択制を実現してほしい。

 もし、地元の学校に問題があるのなら、学校や教育委員会が協力して、問題点を解明して改善することが必要です。現在および未来の生徒のためにも解決が必要です。それをせずに「別の学校に行けばよい」というのは、本当の解決ではないのでは?


 学校選択制を廃止・見直しするところもあるの?

 次の地域で、廃止や見直しが進められています。
・東京都多摩市
東京都杉並区
・東京都板橋区
・東京都新宿区
・埼玉県三郷市
・群馬県前橋市
・埼玉県蕨市
・神奈川県逗子市
・神奈川県厚木市
・栃木県鹿沼市
・茨城県古河市
・長崎県長崎市
学校選択の条件を狭める
学校選択制を廃止
小学校の選択制を範囲縮小
学校選択の範囲を縮小
小学校に限り選択制を廃止(中学校は当面実施)

学校選択制を廃止
学校選択制を廃止

学校選択制を「休止」
学校選択の範囲を縮小
学校選択制を廃止
学校選択の範囲を縮小
学校選択の範囲を縮小

廃止の理由は、「地域と学校の結びつきが弱まった」、「大震災を受けて、登下校の安全確保を考慮した」、「風評や個人的好みによって選択されている」などが挙げられています。


 学校選択制で、地域と学校の結びつきが弱まるとは、どういうこと?

 通学路の交差点で旗をもって誘導するなど、地域の人々が地元の学校運営に協力しています。運動会などの学校行事でも、保護者以外の地域住民の方々が参加協力をしてくれています。学校は、地域のきずなを強める拠点です。ところが、地元の子どもがその学校に通わないことになると、そうした協力関係は弱まります。地域の人々が、地域の子どもたちを学校とともに育てていくコミュニティーが、破壊されるのです。


 学校選択制で、教員と保護者が責任や自覚をもつのはいいことでは?

 学校選択制によって学校間の競争が強まります。橋下市長は、「教員が努力して競争することによって教育はよくなる」、「保護者は自分が学校を選んだことに責任を持つことになる」と言います。
しかし、教育環境の整備は行政と政治の責務です。その責務を十分に果たさず、教育予算も削減しておきながら、「教員と保護者が責任を持ちなさい」というのは、無責任ではないでしょうか?


 

            
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